夢の話 ~その②~
過ごしやすい、いい季節。なんだなー。
今日は、普段眠っている時に見る夢と現実世界が混
ざった時の話を書こう。
20代の頃の話。
その日、私はいつものように眠り、いつものように
夢を見ていた。
夢の中の私は、どこかへ出掛けようと家から車で出た。
大通りに出る手前の細い田舎道で、喪服姿の5~6人
の集団に出会った。
集団は60~80代くらいの男女で、特にその中の女性は、気品のある顔立ちが印象的だった。
ゆっくりと横を通りすぎようとした所で、その老人
達が何か困っているような素振りをしていることに
気づいた。
止せばいいのに、私は窓を開けて声をかけてしまった。
「どうしましたか?大丈夫ですか?」
すると、その老人達は、
「行かなきゃならない所があるのだけど、迎えが来ない。」
と言うのだ。
私は自分の用事も忘れて「乗せて行きましょうか?」と言い、老人達を車に乗せた。
昼間だったし、その中の女性の気品のある顔にも安心感があり、全く恐怖心は無かった。
その女性に道案内を頼み、近所の道をゆっくりと走った。老人達はガヤガヤと世間話をしていた。
若くして亡くなった息子さんのお墓に行くような話をしていた。
そして、しばらく近所をぐるぐるした所で、「ここで良いです。」と言われ、老人達を車から降ろした。
御礼などは、ほとんど無くガヤガヤと降りていった。
女性だけがこちらを見送ってくれた...。
ここで目が覚めた。
いつもなら、また不思議な夢だったなぁで終わるのだが、今回は違った。
早朝ゴミ出しに行った私の家族が不思議なことを言うのだ。
「ゴミ出しの所で、知らないお婆さんに声かけられたんだけど、変なこと言うんだよ。」
「この辺りの人じゃないし、知り合いでもないのに、昨夜の○○ちゃんのご家族?ってさ。」
と。
家族は、よく分からないので、適当な返事をして、
戻ってきたと言う。
私はまさかと思い、そのお婆さんの顔はどんなだったか聞いてみた。
すると、優しそうなお金持ちそうな人だったと言ったのだ。
その瞬間、私の中で夢の女性だと分かった。
他に何か言ってなかったか、別れてからどこに歩いて行ったかを家族に聞くと、
「あー、何か深々とお辞儀してたな。しかも、別れてから振り替えったらもう居なくてさ~」と不思議そうに話していた。
夢と現実が続くなんて有り得ないことだと思っていたが、こんなこともあるのだなぁと知った日だった。
ボランティアをしたような気分になった。