40代、われは主婦なり伸びんとす。

感受性やや強め40代のゆるらかブログ。

この時期になると思い出す夢。

息子が幼稚園に上がりたての頃、ちょっと厄介な病気になり入院をしたことがある。

その入院を境に息子の体力はどんどん弱くなり、一月の半分くらいは病院通いをする生活が小学校に上がるまで続いた。

どうしたら改善するのか分からず、とにかく身体に良いとされるものを色々と試した。
青汁、プロテイン、にんにく、高麗人参、(他にも沢山)

しかし、どれも効果はなく、流石に心が折れそうになってきた頃、ある病院で漢方薬に出会った。
それは、不味くて普通に飲めるようなものではなかったので、息子が飲めるように、お湯ですり潰しながら溶かし、ココアやミロに混ぜて飲ませるというのを朝晩何年も続けた。

もともと色白で顔立ちも女の子と間違われるような子だったが、同い年の子どもよりも1~2年は身体の成長が遅れていたように思う。

何とか同い年の子ども達と肩を並べられる体力がついてきたのは小6くらいからだっただろうか。



そんな息子の高校受験、私は教育ママでも何でもないので、親がやれることは何でもやるが、基本は本人次第というスタンスは崩さなかった。

塾では、息子の志望校の卒業生が講師をやっており、成績もお墨付きをもらえたので、本人も私も安心していた。

しかし、祖母は違った。
元来の心配性が本領を発揮し、息子や私を振り回した。
その度に祖母に大丈夫だと言い聞かせ宥める。
こんな事を繰り返していたある日、私は夢を見た。



辺りは夜、リビングに私と見知らぬ男性が居る。
その男性と世間話をしているのだが、内容が全く入ってこない。
家族でも知り合いでもなかったが、親近感を覚える人だった。
端正な顔立ちと、着物のような衣装からは野村萬斎さんが演じた陰陽師を連想させた。

男性が息子の部屋を見たいと言ったので、案内した。
息子の部屋は暗く、何となく嫌な違和感があった。
よく見ると、大きな御守りのような物がいくつもぶら下げてあるのだ。

男性はその御守りの中で一際目立つ大きな御守りを手に取りひっくり返したのだが、その御守りには、祖母の名前が大きく書かれていた。

それを見た男性が「うーん、これは邪魔だな。坊っちゃんとでもしておきましょうか。」
と微笑みながら御守りに手をかざすと、祖母の名前は坊っちゃんに書き換えられていた。


一部始終に驚きを隠せず唖然としていると、男性は微笑みながらどこかへ行ってしまった。



この夢を見て確信を持った私は、祖母に、良いイメージを持つようにしてくれと頼んだ。
心配性は、その人を思うが故の愛情から来るものだとは思うが、そもそも信用できない性ってことなのだ。
そりゃ親や祖父母なら色々と心配になったり不安になったりするのは当たり前だが、そこで「心配」と「信じる気持ち」を半分ずつは持っていなくてはならないと思う。


結局、息子は第一志望の高校には入れず、悩んだ末に地元の近場の高校に通うことになったのだが、素晴らしい友人、先生、とにかく人との出会いによって成長させられている。
受験のためにと頑張った勉強も、何一つ無駄にはならず全て役に立った。
祖母の心配は邪魔になったものの、結果は大成功だ。


通る道はどうであれ、息子のゴールへ向かって楽しんで進んでもらいたい。


あぁ、この時期は思い出す。
良い思い出として。